インストラクションチューニング

事前学習だけではLLMは指示に従えません。インストラクションチューニングで「使いやすいAI」に仕上げる仕組みを解説します。

編集・検証: AIパスポートスタディ編集部 公式情報: GUGA 生成AIパスポート公式ページ 制作・検証方針
香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

事前学習だけの LLM って、意外と使いにくいの。
今日はその理由と対策、インストラクションチューニングを見ましょう。

戸倉 ジャスミン(あせる) 戸倉 ジャスミン

事前学習しただけじゃダメなの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

例を挙げるわね。
事前学習だけのモデルに「日本の首都は?」と入力すると、「日本の首都は?
…と多くの外国人観光客に聞かれます。
その答えは——」みたいに、質問の続きの文章を書いちゃうことがあるの。
次単語予測しかしないから「質問は答えられるべき」という対話のマナーを知らないのよ。

雪村 ましろ(びっくり) 雪村 ましろ

ふぇぇ…AI さんがとんちんかんな会話してる感じなのぉ?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

つまり、「質問に答える」という行動パターンを追加で学習させる必要がある、という理解で合っていますか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

その通り。
人間が作った指示と模範回答のペアを大量に用意して、そのデータで追加学習するの。
「要約して」→模範要約、「翻訳して」→模範翻訳、「コードを書いて」→模範コード、というように。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

先生が生徒に「この問題はこう解くんだよ」ってお手本を見せるみたい!

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

代表的なモデルってあるの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

Google のFLANや OpenAI のInstructGPTが初期の代表例ね。
InstructGPT が後の ChatGPT の原型になったと言われているわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

補足: 最近は Alpaca、Vicuna、Dolly など、オープンソースのインストラクションチューニング済みモデルも多数公開されていて、個人でも Fine-tune 可能になっています。
研究者コミュニティの貢献も大きくて、オープンソース LLM の使いやすさが飛躍的に向上したんですね。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

ChatGPT が使いやすいのって、このチューニングのおかげだったんだ!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう、でもそれだけじゃ完璧じゃないの。
インストラクションチューニングはマナーを教える。
次に、RLHFで「人間好みの回答」に仕上げる——これがセットで「使いやすい AI」になる仕組みよ。
教育的比喩だと、①事前学習=大量の読書で基礎体力、②インストラクションチューニング=課題の解き方指導、③RLHF=面接対策で社会適応——という感じ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

つまり3段階ですね。
①事前学習で知識を獲得 → ②インストラクションチューニングで指示追従を獲得 → ③RLHF で人間の好みを反映。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

AI の育成って、人間の教育と似てるんだねぇ…えへへ、なんだか愛おしいなぁ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

試験では、3段階のうち「インストラクションチューニング=指示追従の獲得」をピンポイントで押さえればOK。
混同しやすいのが RLHF だけど、RLHF は『選好学習』なので役割が違う、と区別してね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

補足: インストラクションチューニング用のデータセット自体を、他の LLM に自動生成させるSelf-Instructという手法もあり、コスト削減に貢献しています。
現在、Stanford Alpaca、Vicuna、Hugging Face の多数のモデルがこの手法で作られ、個人が数万円の GPU で競技レベルの LLM チューニングを試せる時代になっています。

確認クイズ

インストラクションチューニングの目的として最も適切なものはどれか。

  1. モデルのパラメータ数を増やす
  2. LLM が人間の指示に適切に従えるようにする
  3. 事前学習のデータ量を増やす
  4. モデルの推論速度を上げる
こたえを見る

正解: 2. LLM が人間の指示に適切に従えるようにする

インストラクションチューニングは、「指示と模範回答」のペアで追加学習することで、LLM が人間の指示に適切に従えるようにする手法です。パラメータ数・データ量・推論速度は直接の目的ではありません。

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