先生!
あたしさ、妹の誕生日にプレゼントする絵を生成AIで作ろうと思ってるんだけど、これって著作権的に大丈夫なの?
なんかSNSで『AI絵はパクリだ』って議論も見ちゃって、ちょっと心配になってきた…。
ジャスミンちゃん、今日はあなたの疑問がそのまま授業テーマよ。
実はね、2024年ごろに文化庁が『文化庁AI著作権の考え方』という整理を公表しているの。
生成AIと著作権の関係を、学習段階と生成・利用段階に分けて整理した資料ね。
議論の最初の羅針盤として、多くの企業・クリエイターが参照している文書よ。
つまり、ジャスミンちゃんの疑問の答えは、『どの段階の話か』で変わる、ということですね。
学習している時と、生成して使う時を分けて考える、と。
段階ごとに変わる…?
バドミントンで言うと、サーブとラリーでルールが違うみたいなこと?
(うなずいて)ジャスミンちゃんの例えセンス、今日も冴えてるわね。
まず『学習段階』。
これは著作権法第30条の4が土台で、情報解析のための利用は原則としてOK、というのが日本のルールよ。
これは実はかなり先進的な規定で、海外からも注目されているの。
わぁ、ひまちゃんの例えで分かる気がするよ。
でも、学習はOKでも、生成したものはどうなるの?
そこが一番気になるよね。
ここが二段階目のポイント。
生成・利用の段階では、既存作品と『類似性』と『依拠性』が認められると著作権侵害になり得るの。
通常の著作権侵害の判断基準が、そのまま適用されるという整理ね。
AIだから特別扱い、というのはないのよ。
類似性は『似ているかどうか』、依拠性は『元ネタを知った上で作ったかどうか』。
これはAIに限らず、人が創作する場合と同じ判断枠組みなんですよね。
AIを使う時だけ特別なルールが発生するのではなく、既存ルールが連続的に適用される、と。
なるほど!
つまりあたしが妹にプレゼントする絵は、特定の作家さんの絵と『うり二つ』にならなきゃセーフってことか!
ジャスミンちゃん、概ねその理解で良いわ。
特定のクリエイター名を強く指定するプロンプトで類似作を大量生成する、といった使い方は類似性・依拠性の両方が問われやすくなるから避けたほうが安全ね。
プレゼントのように個人的な範囲で楽しむ場合、私的利用の範囲にも守られる余地はありますが、SNSで公開・販売する場面では、より慎重に見る必要があります。
私的利用でも、特定作家をそっくり模倣するのは倫理的に好ましくないですしね。
使う場面によって気をつけるレベルが変わるんだね。
妹ちゃん、喜んでくれるといいね、ひまちゃん。
ありがと、ましろちゃん!
じゃあ要は『オリジナルで』『身内向けに』やれば、基本は問題なさそうだね。
その感覚で大丈夫よ。
試験的には『学習段階 = 30条の4で原則OK』、『生成・利用段階 = 類似性 + 依拠性』の二段構えを必ず押さえてね。
確認クイズ
文化庁のAI著作権の考え方(2024年ごろ)について最も適切な記述はどれ?
- AIによる学習は一切、著作権侵害となる
- 生成AIの出力は、元作品との類似性と依拠性が認められれば著作権侵害となり得る
- AI生成物には著作権が一切発生しない
- AIに関する新しい著作権法が制定され、既存の法律は廃止された
こたえを見る
正解: 2. 生成AIの出力は、元作品との類似性と依拠性が認められれば著作権侵害となり得る
文化庁の整理では、生成・利用段階は従来の著作権と同じ判断枠組みが適用され、類似性と依拠性がカギになります。学習段階は著作権法第30条の4で原則可能ですが、生成段階では既存作品の保護が引き続き及び得る、という二段構えが試験で問われます。新しい著作権法の制定ではなく、既存法の解釈指針である点も重要ポイントです。