ネット上の絵とか文章を無断でAIの学習に使うのって、当然ダメでしょ? 完全に違法じゃん。
ジャスミンちゃん、実はそう単純じゃないんです。
日本には著作権法第30条の4という条文があって——
え、待って、第30条の4?! そんな都合いい法律あるの!?
あるのよ。
2018年の著作権法改正で新設されたの。
要旨は『著作物に表現された思想・感情の享受を目的としない利用は、権利者の許諾なく行える』というもの。
情報解析 (= AI学習含む) は典型的な該当例よ。
ふぇぇ、日本ってAI学習に寛容な国なのぉ?
国際的には非常にリベラルな方です。
EUにも類似の『TDM (Text and Data Mining) 例外』がありますが、権利者のオプトアウト宣言があれば適用外となる点で日本より厳格です。
ただし、第30条の4には大事な但し書きがあるの。
『著作権者の利益を不当に害する』場合は例外適用外——つまり違法になりうる。
不当に害するって、具体的にどういう時?
たとえば、有料の画像データベースを許諾なく学習に使う、学習後のAIが元の絵柄をそのまま再現してしまう、特定作家の作品ばかり集めた追加学習で類似画像を量産する、といったケースが挙げられているわ。
『さすがにそれはひどいよぉ』って言われちゃう使い方はダメってことだねぇ。
一般原則として『学習段階』は広く認められ、『出力段階』は従来通り著作権侵害の判断が入る——この二段構えを覚えておくと整理しやすいです。
そう、つむぎさんのまとめが秀逸ね。
試験でもその構造で覚えて。
学習と出力で判断が変わるってのがミソなんだね!
そうです。
『入口は広く、出口は従来通り』というイメージです。
2024年3月公表の文化庁『AIと著作権に関する考え方について』では、生成段階での依拠性や類似性の判断枠組みが明示されました。
『依拠性』と『類似性』か〜、言葉は固いけど、要はこの2つが鍵ってことだね!
日本が第30条の4を導入した背景には、情報解析分野での国際競争力維持という産業政策的意図もあるの。
機械学習の研究開発を促進するため、あえてリベラルな枠組みを採用したのよ。
規制を『減らす』ことで産業を伸ばす、って発想もあるんだね。
一方、クリエイター側からは『無断学習への対抗手段がない』という懸念も強く、2024年以降、学習オプトアウトの仕組み整備の議論が活発化しています。
作る人もちゃんと守られる、バランスのいい仕組みになるといいねぇ。
ルールは社会の合意で動くもの。
私たち読者一人ひとりの声が、将来のルール作りに反映されるのよ。
確認クイズ
日本の著作権法第30条の4に関する記述として最も適切なものは?
- AI学習目的の著作物利用は全て違法である
- AI学習等の情報解析目的の利用は原則許諾不要だが、権利者の利益を不当に害する場合は例外
- AI学習は全面的に合法で、いかなる例外もない
- AI学習には常に権利者の個別許諾が必要
こたえを見る
正解: 2. AI学習等の情報解析目的の利用は原則許諾不要だが、権利者の利益を不当に害する場合は例外
第30条の4は情報解析目的の利用を原則許諾不要としますが、但し書きで『著作権者の利益を不当に害する場合』は例外適用外としています。この『原則OK・但し書きで歯止め』の構造が試験頻出です。